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炎症性腸疾患

以下の項目に該当する方は炎症性腸疾患の可能性があります!

  • 血便や下血がでた
  • 粘膜がくっついたような便がでた(粘血便)
  • 苺ジャムのような赤い粘液上のものが便にくっつている(粘血便)
  • 下腹部が差し込むように痛い
  • トイレから出られないくらい下痢が止まらない
  • 長期間下痢が続く
  • 下痢と共に腹痛である
炎症性腸疾患とは

ウイルスや細菌を体外に排出させる為に免疫機構が存在していますが、この免疫機構に異常が生じて消化管内に炎症を引き起こす病気を炎症性腸疾患と言います。炎症性腸疾患の中でもよく診られるのは「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」です。食生活が時代と共に欧米化している事も要因となって特に若い世代層に増加している病気であります。潰瘍性大腸炎もクローン病も国が指定する難病でありますが、患者数は近年増加傾向にあります。

炎症性腸疾患の原因

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)の発症原因は明確となっていませんが、人間の免疫機構の異常が関係していると考えられています。体内に入り込んだ異物(ウイルス、細菌など)を体外へ排出しようと免疫機構が活発化します。その際、正常な腸管組織を傷つけてしまい、腹痛や下痢、血便などの症状が発症します。また、炎症性腸疾患は遺伝的要因も発症に関係があると言われています。

炎症性腸疾患の症状

潰瘍性大腸炎とクローン病の異なる点として炎症が発症する部位が挙げられます。潰瘍性大腸炎は主に大腸内でのみ炎症を発症しますが、クローン病は口、食道胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門までと消化管全域に炎症を引き起こします。炎症が慢性的に続くと消化管壁についた傷が深くなり潰瘍となってしまいます。重症化すると穿孔(消化管に穴が空く事)を引き起こす事もあります。

潰瘍性大腸炎

長期間下痢や血便が続く、便に苺ジャムのような赤い粘膜がついている(粘血便)、下腹部の腹痛、発熱、貧血、全身倦怠感などの全身症状も引き起こします。潰瘍性大腸炎の症状が重篤化すると腸管壁に穴が空いたり、大量出血を招いたり、腸管壁で慢性的に炎症が発症し、腫れる事で腸管が狭くなる「狭窄」などを引き起こし、我慢できない程のツライ腹痛を引き起こします。また、関節や皮膚、眼にも症状が及ぶ事もあります。

潰瘍性大腸炎は緩解期(症状が落ち着いている期間)、再燃期(症状が再発している期間)を繰り返します。炎症が長期間続くと大腸がんの発症リスクが高まる事が知られています。我慢できない程ツライ腹痛、下痢、血便を感じましたら精密検査を実施して頂き、症状が再熱しないよう体調管理を整える必要があります。

クローン病

クローン病は潰瘍性大腸炎と異なり、各々の罹患者で発症する部位が異なります。クローン病の初期症状でよく診られるのは、下痢、下腹部の腹痛、血便、発熱、貧血、切れ痔や肛門に発症する潰瘍、全身の倦怠感などの全身症状も引き起こします。クローン病も潰瘍性大腸炎と一緒で症状が重篤化すると穿孔(腸管壁に穴が空く事)や狭窄(慢性的に炎症が発症する事で腸管が腫れる事で腸管が狭くなる事)などを引き起こし、我慢できない程のツライ腹痛を引き起こします。また、関節や皮膚、眼にも症状が及ぶ事もあります。

上記以外でもクローン病では、骨粗しょう症、壊疸性膿皮症や腎結石などを引き起こす事もあります。クローン病も症状が落ち着いている緩解期、症状が再発している再燃期を繰り返しますが、クローン病では大腸がんを引き起こす可能性は低いと言われています。

炎症性腸疾患の検査

下痢、腹痛、血便・下血などの症状の原因を解明する必要があるので、症状の問診後に内視鏡検査(大腸カメラ検査)で腸管内の精密検査を行う必要があります。

内視鏡検査(大腸カメラ検査)

大腸カメラ検査は肛門から内視鏡スコープを挿入して大腸内を直接観察します。大腸カメラ検査では症状の原因を特定したり、炎症部の状況(炎症の程度、炎症を引き起こしている範囲)を観察する事が出来ます。つまり、大腸カメラ検査を受ける事でその後の治療方針も明確となります。

内視鏡検査は苦しい検査であると思われる事も多く、大腸カメラ検査受診を敬遠されている方もいらっしゃるかと思います。しかし当院では、皆様が安心して、快適に大腸カメラ検査を受けて頂けるよう様々な工夫を行っています。詳細については当院の大腸カメラ検査ページをご覧下さい。

血液検査

炎症の程度、栄養状態、貧血の有無、服用しているお薬の副作用についてなどを血液検査で確認する事が出来ます。

腹部レントゲン・エコー検査

大腸内の狭窄状態、大腸内に溜まっているガスの有無などを腹部超音波検査(腹部エコー検査)、腹部レントゲンで観察する事ができます。

便培養検査

炎症性腸疾患が原因で症状が発症しているのか、ウイルスや細菌感染によって症状が発症しているのか区別をする為に便培養検査を行う事があります。身体に負担が掛からず腸管内の状態を推測する事が出来ます。

炎症性腸疾患の治療法

潰瘍性大腸炎やクローン病の治療では、症状が再熱しないようにコントロールして行く必要があります。その為、薬物治療、栄養療法、外科的治療、精神的なケアを行っていきます。

薬物治療では炎症を抑えるお薬を処方していきます。薬物治療を行っても症状をコントロールする事が出来ない場合には、治療経過や重症度に応じて免疫調節剤や生物学的製剤なども併用して、症状の再熱を抑えていきます。

日常生活から気を付ける事

潰瘍性大腸炎やクローン病の症状が再熱、重篤化させない為には、日々の生活習慣の改善も大切な要因となります。

食生活

ファーストフードなどの脂っこい食べ物、アルコール類の過剰摂取、唐辛子や山椒のような香辛料の過剰摂取は控えましょう。上記にあげた食品が潰瘍性大腸炎やクローン病の発症に直接関わる訳ではありませんが、症状悪化に繋がる可能性もあります。

喫煙

特にクローン病ではタバコによって症状の再熱、重篤化に繋がる可能性があると言われています。クローン病を発病されている方は特に禁煙が重要となります。クローン病だけでなく潰瘍性大腸炎を発症されている方も禁煙は大切です。

お問合わせ

潰瘍性大腸炎やクローン病は国が指定する指定難病ですが、潰瘍性大腸炎やクローン病の初期症状は下痢や腹痛など比較的軽視される症状が多くあります。ただの下痢、ただの腹痛と思っていても潰瘍性大腸炎やクローン病であったという事もあります。

下痢、腹痛が診られる際は決して自己判断せずお早めに医療機関までご相談下さい。当院では太田市に留まらず、足利・桐生・館林・邑楽郡・伊勢崎・高崎・前橋など近隣の県市町村にお住いの皆様からご相談ご紹介を頂いております。

炎症性腸疾患は再燃緩解を繰り返す病気です。適切な治療をして行かないと炎症のコントロールが出来ず、腸切除等の外科療法が必要になります。
当院では出来る限り内科的治療で疾患の悪化を阻止し、この疾患と上手く付き合うような手助けをさせていただきます。

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