0276-38-5511

〒373-0861 群馬県太田市南矢島町726-3

受付時間
AM 09:00~12:00
PM 15:00~18:00
脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症(高脂血症)について

血液中の脂質値が高い状態が慢性的に続くことで身体に異常が生じるのを脂質異常症(高脂血症)といいます。昔と比べて食生活の欧米化が進み、ファーストフードなどの脂肪分を多く含む食べ物を食べる機会が増え、脂質異常症の患者数は近年では増加傾向です。
脂質異常症は特に自覚症状を感じることがありません。健康診断や地域の特定健診を受診してその血液検査で発症していることが判明することが多いです。血液検査で中性脂肪値、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値が正常の範囲内から外れていて、異常を指摘された方はお早めにお問い合わせください。
脂質異常症の方の場合はコレステロールが多いため、血管内にコレステロールが溜まりやすい状態となっています。そのため、お粥状のようなドロドロとした塊(アテローム)が血管内で出来てしまいます。アテロームができることで血流が悪くなってしまい、そこに負担がかかってしまうことで心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こすことがあります。血液検査で脂質の数値で異常を指摘された方は、お早めにご相談してください。

脂質異常症の原因とは?

脂質異常症は、血液中の中性脂肪やコレステロールの値で異常が生じる病気です。脂質異常症が発症してしまう原因として主に2つあります。

原発性脂質異常症

原発性脂質異常症は生まれつきのもので、体内で行っている脂質代謝系に異常がみられることで発症します。原発性脂質異常症には、家族性高コレステロール血症、家族性高中性脂肪血症などの病気があります。

二次性脂質異常症

普段の生活習慣や他の病気が関係して生じるのが二次性脂質異常症です。発症する原因としては下記のような要因が考えられます。

普段の生活習慣

普段の食事習慣、運動不足、喫煙、アルコール類の飲みすぎなどの生活習慣の乱れは脂質異常症の発症に関わります。

糖尿病

インスリンの分泌量が減ること、またはインスリンの効果が弱まることで糖尿病が発症しますが、糖尿病は脂質代謝に影響が及ぼすことが報告されています。

肥満

コレステロールや中性脂肪の値が慢性的に高い状態が続いていると、肥満体型になりやすくなってしまいます。コレステロールや中性脂肪が増えることで血液中に脂肪が増えてしまい、脂質異常症を引き起こすことに繋がります。

甲状腺機能低下症

甲状腺から分泌されるホルモンの量が減少すると脂質代謝能が低下し、脂質異常症を引き起こすことがあります。

肝臓機能の障害

肝臓は脂質代謝に関わっています。肝臓に異常が生じてしまうと脂質異常症を引き起こすことに繋がる場合があります。

医薬品

ステロイド薬や向精神薬など、一部の医薬品は脂質代謝系に影響を及ぼすことが知られています。そのため、内服している医薬品によっては脂質異常症が発症してしまう場合があります。
脂質異常症の治療では原因を先ずは特定し、対処していきます。脂質異常症が発症している原因となっている病気や普段の生活習慣を改善する必要があります。また、脂質異常症の病状によっては、薬物療法も組み合わせながら治療を続けていくこともあります。
当院には管理栄養士が在籍し、食事内容や運動習慣、普段の生活習慣の改善指導を行っています。ご希望の方は診察時に医師までお伝えください。

脂質異常症の症状

脂質異常症では主に、以下のような症状がみられます。

黄色腫

皮膚や腱にコレステロールが溜まってしまうとその部位で黄色いしこりのような塊が形成されてしまいます。よくみられる部位は関節の周囲、手のひら、足の裏、アキレス腱などがあげられます。

黄斑

まぶたに小さな黄色い斑点がみられるようになります。これは、コレステロールが皮膚に沈着することで生じてしまいます。

動脈硬化

脂質異常症では血管壁に脂質が溜まっていくことで、動脈硬化が進行してしまいます。動脈硬化が生じてしまうと、血流が悪化してしまい、結果として心筋梗塞、脳梗塞などの病気を引き起こすことがあります。
脂質異常症の発症は、生まれつきの遺伝的な要因であったり、普段の食事内容、運動不足、肥満、喫煙、アルコールなどが関わってきます。脂質異常症は特に自覚症状を感じることがなく病状が進行していきます。少しでもお身体で違和感・気になることなどございましたらお早めにご相談してください。

脂質異常症の重大な合併症

採血検査の脂質の項目で異常を指摘されているが、治療せずに放置してしまっていると、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の発症リスクが高まります。

心筋梗塞

動脈硬化が進行することで心臓へ血液を供給している冠動脈が詰まり、心筋梗塞を引き起こす場合があります。

脳梗塞、脳出血

動脈硬化が進行することで脳への血流が悪化し、脳梗塞が発症する場合があります。また、動脈硬化によって血管壁が弱まってしまい、脳出血のリスクも高まります。

末梢動脈疾患

動脈硬化が進行することで全身の血管に影響が生じることがあり、末梢動脈疾患が発症する場合があります。末梢動脈疾患は、歩行時の足のしびれ、足の痛み、傷が治りにくいなどの症状があげられます。

大動脈瘤

脂質異常症の検査方法は主に血液検査となります。血液検査で総コレステロール(TC)、低密度リポタンパクコレステロール(LDL-コレステロール)、高密度リポタンパクコレステロール(HDL-コレステロール)、およびトリグリセリド(TG)の値を測定します。

脂質異常症の検査

脂質異常症の検査方法は主に血液検査となります。血液検査で総コレステロール(TC)、低密度リポタンパクコレステロール(LDL-コレステロール)、高密度リポタンパクコレステロール(HDL-コレステロール)、およびトリグリセリド(TG)の値を測定します。

LDLコレステロール 140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症
120~139mg/dL 境界域高LDLコレステロール血症**
HDLコレステロール 40 mg/dL未満 低HDLコレステロール血症
トリグリセライド 150 mg/dL以上 高トリグリセライド血症
Non- HDLコレステロール 170 mg/dL以上 高non- HDLコレステロール血症
150~169 mg/dL 境界域高non- HDLコレステロール血症**

採血検査以外では、頸動脈エコー検査、心電図検査、心エコー検査などを実施し、動脈硬化の度合いを確認していきます。

脂質異常症の治療法

脂質異常症の治療では、薬物療法と生活習慣の両方からアプローチしていきます。

薬物療法

普段の生活習慣の改善だけでは脂質値のコントロールができない場合に、薬物療法を実施します。脂質異常症の治療薬は、HMG-CoA還元酵素阻害剤、ファイブリート、胆汁酸吸着剤、コレステロール吸収阻害剤など様々あります。
脂質異常症の治療では、病状や合併症リスクなど様々な要因を考慮し、皆様にあった内容で治療内容が選択していきます。

生活習慣の改善

脂質異常症の治療では薬物療法だけでなく、普段の生活習慣の改善も大切です。普段の食事内容を見直すことや、無理のない範囲で定期的に運動をすること、禁煙なども脂質異常症の改善に効果があります。
当院には管理栄養士が在籍し、普段の食事内容、運動習慣、生活習慣の改善提案をさせていただいています。栄養指導にご興味がある方は、診察時に医師までお伝えください。

運動で気をつけること

脂質異常症の治療では有酸素運動も効果が期待できます。ジョギングのような身体に負担がかかる運動は継続することも難しいと思います。ウォーキングやヨガ、水泳など無理のない程度で定期的に運動していただければと思います。

お問い合わせ

正田医院では皆様の健康寿命の延伸に貢献するために、脂質異常症の診察にも力を入れています。採血検査を受けて脂質の項目で異常を指摘された方はお気軽にお問い合わせください。脂質異常症の場合は特に自覚症状を感じることなく病状が進行していきますので、脂質異常症は早期発見が難しい特徴があります。

会社の健康診断や太田市の特定健診を受け、コレステロールや中性脂肪の値で異常を指摘された方はお早めにご相談してください。

閉じる